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Dec 2016

今年一年も沢山の製作に携わることがでたことに本当に感謝しております
依頼主の皆様には、これからも家具のお世話も兼ねて、末長くお付き合いさせていただければと思っております

年末に、どっとまとめて作例の紹介を更新をするのが、毎年の恒例のようになってきています
製作に集中すると、なかなかこうしたデスクワークを後回しにしてしまいがちなところは反省箇所です
ちなみに、ここで紹介しているのは製作した家具たちの半数くらいなのではないでしょうか
写真映りがいまひとつであったり、製作のほうが忙しくなると写真をとることさえままならなくなってしまいます
綺麗に家具をセイッティングして、光を捉えて、三脚を立てて、そして撮影となると結構な手間なのです

こうやって私なりの技量でもって、できるだけ綺麗な写真を撮るのは、家具に私が込めた考えや想いをきちんと伝えたいと始めたことです
それが、ここで見ていただいた人たちに伝わることが、次の仕事の依頼にも繋がるというようにも考えています

私自身は作品の紹介をしながら、その時々の仕事を振りかえっているのですが
いったいどれくらい成長できたのだろうか、ということを考えたりします
数年前と比べても、仕事はますます複雑化しているのですが、それに動じることなく取り組めるようになってきているように思います
ただ、その成長を続けてくことが本当に私自身が目指していることなのか、と問われると少し違う気もしています

素晴らしく美しい、でもとても技術を要して、誰にでも出来るものではない
そんな仕事を私自身は目指しているわけではないような気がします
これまで、ますます難しくなっていく仕事内容や、繊細なディティールにも挑んできたことが仕事の質を向上させたことは疑いないことです
でも、それを還元していくのが次のステップだというように感じています
違った決断もしなければと思っています

今年一年を通して、より色濃くなったところを自分なりに上げるとすると「依頼主とのコミュニケーション 」ではないかと思っています
図面やメール連絡でのやりとりの回数もそうですが、できるだけ直接会う機会を作って話すことや
設置場所や建築現場に足を運ぶということも以前より回数が増えたように思います(受け皿となる建物とのコミュニケーションですね)

私は家具を作り続けてきて今になって
家具なんてもっと単純なものでも良いし、凝ったディティールなんてなくたって良いと思い始めています
ただし、暮らしのなかできちんと役割を果たせるもの(道具)であってほしいというように考えています

私の工房のような小さくて生産能力もそれほどないところで可能なこと、むしろ小さな工房だから可能なことというのは
家具の使い手と徹底したコミュニケーションのもとで生まれる家具なのではないかと考えています
それはただ単に、使い手の求めることのみを汲み取って形にすることとは違うとはっきり言っておかなければいけません
むしろ逆なのかもしれません、私たちの工房には私たちが考える「良き家具」という像が出来つつあり
それを求めてくれる依頼主と出会い、そして、私たちは私たちの家具を依頼主の暮らしにフィットさせる作業が必要だと考えています
そのためには、こちら側から誤解を産まないための説明が必要であったり
時には出来上がっている私たちの考えの方を修正する必要だって出てくる場合もあります
そのためにはコミュニケーションをとることだけが頼りになっていく気がします

いろいろと紆余曲折してここまで活動してきたような気がしますが、こんな単純なことを今さらながらに思っています

写真だって、綺麗なものばかり載せているのは、なんだかうわべだけのような気がしています
その時々の出来事や、葛藤している様子も伝えていくことで、もっと私たちのことを知ってもらえるような気がしています

私たちの作る家具を求めてくれる人の暮らしを少しでも幸せな方角へと、、
小さな後押しができれば良いと思っています

来年も、良い年となりますように

タンペレ 出口真樹






 

Dec2016

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ゆずり葉 〜桑名市にある助産院

畳敷きの産室の家具
助産師さんたちが一息つく窓辺の家具
談話コーナーの外れにある中庭に向かって座るベンチ
栄養士さんの持場、調理場の収納
産道をイメージした1800角の光窓

その他にも、この助産院が機能していくために必要な家具や建具の製作に携わりました
助産院という場所の在り方を、助産院の先生の想いをもとに一から構築していったように思います
住宅家具を専門とする私ですが、先生や助産師さん、建築設計のあつみさんと何度も打ち合わせを繰り返してなんとか形にしていきました
いつもと変わらないスタンスです

出来上がった建物は医療施設とは少し違う暖かな空気が感じられます
生まれるくる生命の家族にとっては叙情的な場所でもあります

この場所が地域に根付いていくとが意味のあることだと私は思っています



建築設計  あつみ建築



Dec 2016

Living Chest
Knoted Oak / Brass
1100x440x*950

Living Bord
Knoted Oak / Brass
2000x440x*495

Sectional sofa
Oak / Upholstely
1600+800+600x850x*650


 

Dec 2016

Entrance cabinet
Knoted Oak / Brass
1080x400x*855

Living Bord
Cherry
1520x400x*600

 

 

DESIGN OFFICE ANT
西口賢 建築設計事務所+岩間建築設計事務所


 

Nov 2016

Dining table (extention)
Oak
1200〜1800x*700

Standard Chair / Arm chair
Oak / Upholstely

Sofa(黒革のソファー)
Tamo / Leather
2050X850X*800

TVbord
Tamo / Cane
2000x430x*450

 

建築設計 熊澤安子建築設計室


 

Oct 2016

Standard Chair with Armrest
Oak / Upholstely
500x500x*750


 

Oct 2016

黒革のソファー1
黒革のソファー4
黒革のソファー3

黒革のソファー
Tamo/ Leather
2050x850x*800




Oct 2016

Kitchen Cabinet
Oak
3060x1080x*1050

Kitchen Shelf
Oak
2395x290x*850

 

建築設計 窪江建築設計事務所


 

Spt 2016

Dining Table
Tamo
2600x950x*700

 




Aug 2016

Living Bord
Cherry / Iron
2720x450x*530

 


 

Aug 2016

o-ku
オーク 丸テーブル1
オーク丸テーブル 2
O-KU
オーク丸テーブル
オーク丸テーブル

1300 EXTENTION TABLE
OAK
W1300〜1950・H700


 

Jul 2016

credenza oak
credenza oak

Credenza
Oak / Brass
W2500・D450・H700


 

Jun 2016

椅子 オリジナル
椅子 オリジナル
椅子 オリジナル
椅子 オリジジャル

Standard Chair
Maple / Upholstely
W500 ・D500・H750




Jun 2016

タモ テーブル
タモ テーブル
タモ 小椅子
タモ 小椅子 

Dining Table・Chair
TAMO / Soap Finish

建築設計 ヨネダ設計舎




Mar 2016

Furnishing (Kitchen / PartitionUnit / Sofa / Table / Seating /Bed and more)
White Ash (OilFinish)

設計 服部信康建築設計事務所


 

Apr 2016

ウォールナット
ウォールナット
ウォールナット

Low bord
Walnut
W2090・D450・H400




Apr 2016

easy chair

Easy chair
Oak / Paper code
W670・D700・H730



Apr 2016

teal
teak chair

Chair
Teak / Fublic
W490・D500・H720

設計工房 蒼生舎



Apr 2016

book shelf

Shelf
Oak
W1000・D320・H1200



Apr 2016

ウォールナットソファー
ウォールナットソファー
ウォールナットソファー
ウォールナットソファー
ウォールナットソファー

SOFA
Walnut / Wool Fublic
W1980・D830・H800


ウール生地のクッションが仕上がりました
色、風合いともにウォールナットのフレームにとてもよく馴染んでいます
硬めのウレタンフォームを用いているのでカチッとした雰囲気が漂っています
今回は型崩れしないことと、座り心地の両立に気を配ってのクッションの製作になりました
羽毛クッションのダルっとした風合いとはまた違う良さがあります

時間が経ってどのように変化を受けるか、依頼主には経過を尋ねていくようにしたいと考えています




Mar 2016

チーク無垢テーブル
チーク無垢テーブル
チーク無垢テーブル
teak table
teak table
チーク無垢テーブル
チーク無垢テーブル

Dining Table
Teak / Stainless steel
W2200・D970・H700


一本の丸太からなるとても美しい板目のチーク材の天板です
堅く、水や汚れに強く、耐朽性の高いチーク材は家具になってしまえば良いところばかりの材ですが
家具の材料として手にできる量には限りがあって、とても高価な材になっています
加工は良好ですが、刃物は直ぐに切れ味を失うので繰り返し刃研ぎが必要です
木目や色味も削ってみるまでは判らないことも多くあって、一本の丸太を仕入れて製作するのはいつも以上に覚悟を要します
大変なことも多いのですが、仕上がった天板を前にし、チーク材でしか発することのないその存在感に報われた気がします

ステンレススチールで製作の脚部も力作です
パイプでなく、無垢の平板を加工して製作しています
縦揺れに強いAパーツと横揺れに強いBパーツのそれぞれを溶接で製作の上、縫い合わせるようにボルトで合体させています
検討通りで剛性は十二分に発揮されています

実は、これらの概要はスカルパ(Carlo Scarpa)の作品から着想しているのですが
スカルパの掲げる超合理主義というのはなるほどこういうことかと、あらためて考えさせられた機会にもなりました
製作においても、困難を極めていて合理的とは言い難く、必要な機能だけを求めるのであればもっと簡単な回答だってあります
テーブルの脚ならば4本の角パイプでも事足るのです
それでも、素材と向き合うことや製作手段を熟慮することでしか生まれない創意工夫があるということ
そこには次につながる何かの発見があったりして、大げさにいうならばそれこそが伝統的価値と呼べるものなのかもしれません

堅牢なチーク材を用いて、剛性のあるステンレスの脚部からなるこのテーブルは100年保つテーブルです
いろいろな想いも込めてそう位置付けたいと私は思っています

ものづくりということにおいて、必要なものを必要な分だけ、無駄のなく合理的というのは現代において大切な考えのひとつだと思います
庶民感覚を軸にしたいとどこかで思っている私には、どちらかといえばこちらよりの考え方をしていることが多い気もします
特別なものを特別な人に向けてやっているかもしれない、今の私のオーダーメイド家具ですが
丁寧に作られたものが特別でなくて、普通に存在する世の中になれば良いなと切に願っています




Feb 2016

オークガラス戸棚
オークガラス戸棚
オークガラス戸棚
オークガラス戸棚
オークガラス戸棚


Cup Bord
Oak(
stained) / Glass / Brass
W1450・D400・H950

Side Bord
Oak(stained) / Glass / Brass
W2010・D450・H630


上はガラス扉の食器棚
波打ったガラスを用いたのではっきりりと内側が見えるわけではありませんが、仕舞われた食器の存在はそれとなしに伝わります
完全に隠してしまうような板戸とは違って家具に奥行きを感じます
あくまでも魅せる収納、飾り戸棚です

久しぶりにガラス戸の家具を製作したような気がします
家具の扉としては一般的なので、もっと用いていても良いのですが、モダンな家具となると敬遠されるのかもしれません
今回はガラス戸を主として考えたので、引き出しは下方へ配置しています
脚部の構造と一体となるように引き出しを設けたのが新鮮に映ります
引き出しとしては扱いづらい位置にあるのですが、引き出しが上についてしまうと一気に生活感のある家具に変わってしまいます

あくまでも飾り戸棚のこの家具は少し装いきの雰囲気を放つように製作しました
依頼主のご夫婦には小さな引き出しも、きっと楽しんで使っていただけると思っています

下の写真は同じ御宅のテレビの置かれるサイドボードです
小さめのテレビを置いていただく様子で、この家具にはそれがしっくりくると思います

  *

納品に伺った時には、ちょうど照明器具の取り付けがなされていて
食器棚の少し離れたところに、真鍮のペンダント照明が下げられていました
照明越しにみえる家具の姿がとても素敵で印象深く残っています
家具も照明も住宅関係のお仕事をされているご夫婦で吟味されて選ばれたものです
照明の真鍮と家具の把手の真鍮が気持ちよく呼応していたのですが
つまり、よくコーディネイトされていたということなのだと思います

コーディネイトとか、デコレーションとか言ってしまうのが恥ずかしいのですが
意外とこのコーディネイトやデコレーションを上手くできる人に出会うことは少ないです

デザインも建築もそんな小難しいことばかりが偉いわけでなくて
センスのある人、つねにそのセンスを磨けている人は素敵だなと思います




Feb 2016

楕円テーブル


Oval Table
Oak
W1800・D900・H720

定番となって製作している楕円のテーブル
今回は静岡県まで納品にいってきました
天板と脚部を取り外して、なんとか二階の設置場所まで搬入できました

楕円の形状はきれいな正楕円ではなく、長方形と正楕円の間をとったような形
スーパー楕円と呼ばれていますが簡単に言うと小判形

はっきりとした円形や四角形といった形とちがって、捉えどころがなく弱い形のデーブル
それ故に他者と混じることを嫌わず、どこでも、誰とでも馴染んでくれる

これが私の楕円形への解釈です
狭い空間に置くのにも、楕円形のテーブルはとてもいいですよ


建築設計 水野純也建築設計事務所



 

Feb 2016

ウォールナット ソファー
ウォールナット ソファー4
WAR流ナットそふぁー2
ウォールナット ソファー3


写真はウォールナットの3人掛けのソファーフレーム
アームレストはエッジを効かせながらも優しい曲線で仕上げています
脚と笠木の接合箇所のディティールも新しく考えたものを採用しています

ウォールナットやチェリーなどの有色の材は丸めたり尖らせたり削り出して磨くことで木目が美しく表れます
椅子やソファーは「座る」という用途のためのものですが、時にはオブジェのように鑑賞目的となることさえあるものです
ディティールやシェイプの決定は感覚的なもので、わり切って考えられない側面もあります

これからフレームはオイルの塗布と研磨がなされて木部はしっとりとした艶をまといます
依頼主が選んだ布地のクッションと合わさる姿が楽しみです


イージーチェア 


こちら
は新たに製作している一人掛けの小さめのイージーチェアのモックアップ
座面の勾配はきつめに設定されていて、どっしりと座り込むようなイメージをもって試行錯誤しながら作っています
これから座面をペーパーコードで編み込んでいきます
丈夫なペーパーコードなら勢いよく座り込んでも気にする必要などありません
肘掛けの形状もさくっと丸めただけのものとしています
勾配が急なこの椅子は、立ち上がる際に、肘掛けの先端部を掴むようして力を込めて立ち上がります
肘掛けは見え方よりも、手に触れた時の感触を優先しています

先のウォールナットのフレームのものとは対照的な考え方で作っていて
より道具としての椅子を目指しています
材もオークやナラ、タモなどのざっくりとした樹種が似合いそうです

 *

これら二点の家具も依頼を請けて製作しているオーダーメイドの家具です
一点ごとにこうした椅子を設計して製作していくには、あまりにも多くの時間を費やしていて
こればかりでは稼業は成立しないという課題もあるのですが
依頼主と気持ちの通うコミュニケーションを経て、ようやく製作されることになった椅子です
これらの家具には、依頼主には感じていただける確実な何かを宿すことができたと思っています

お届けまでもうしばらくお待ち下さい



 



出口真樹/1972年 三重県生まれ

1995年多摩美術大学デザイン科卒 
1998年住宅設計の仕事から一転して家具職人の道を目指しデンマークへ留学 デンマークで家具の製作技術と家具デザインを学ぶ
2000年帰国 自身の家具製作アトリエを開設 現在に至る

 

 

 

 
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